【不妊治療験記_08】不妊治療を職場にカミングアウト!上司への伝え方

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不妊治療体験記

不妊治療と仕事の両立を目指すみなさん、
いざ「不妊治療を始めたことを職場に伝えて、働き方を相談しよう」と決意しても、
どのタイミングで、何をどのように伝えればいいか迷いませんか?

デリケートな話題だし、話しづらい・・・・

上司や周りの人にどう思われるか、不安…

私も職場に伝えるのは、とても勇気が必要でした。

わたしがカミングアウトを決意したのは、不妊治療クリニックに通院をはじめ、体外受精に進むことを決意したタイミング。

どんなことを気を付けて、どんなことを伝えたのか、わたしの失敗談も含め参考にしていただけると嬉しいです。

職場に伝えるタイミングは?

わたしの場合は、自分自身のライフイベントに対する考え方については、
もともと直属の上司とざっくりとした共通認識を持つようにしていました。

  • 「結婚して2年後くらいに子どもを考えたい」という意思を事前に伝えていた
  • 自分が産育休に入ることを見越して後任を育ていてる途中だった

その分、妊活・不妊治療という話題を上司にするハードルは低かった方だと思います。
ただ、「不妊治療が必要である」ということを上司に伝えるのは、どうしても抵抗がありました。

  • 不妊治療が必要=女性として、欠陥があると思われたくない
  • 上司(未婚男性)に不妊治療についての理解をしてもらえるか不安

ただ、そんな不安よりも、

こんな働き方を続けていては、妊娠なんてできないのでは…
という「ハードワークによる体調への不安」と、

今の仕事量とミッション(責任の範囲)では、生産性・効率性を上げて時間を捻出し、不妊治療と両立することに限界がある

という「これ以上仕事の負担を背負えない」という恐怖の感情が先に立ちました。

独自のタイミング法を4ヶ月試しただけでも気持ち的に疲弊してしまっていたわたしは、
「現状を変えないとしんどい」と過度に思い詰めてしまっていました。

【失敗】不妊治療クリニック初診の直後に伝えて、大失敗

そんな思いつめた状態だった私は、不妊治療クリニックの初診で不妊検査ドックを受けた直後、
検査項目の多さ、今後の通院予定の多さ、待ち時間の長さにさらに焦りを覚え、
気持ちが先走り、つい、初診直後の上司とのミーティングで、不安を漏らすような形で、こう言ってしまったんです。

実は…

不妊治療クリニックに通いだしたんです…

通院回数が結構多かったり、待ち時間も長かったりで、

今と同じパワーで仕事に取り組めるか、不安なんです…

上司の第一声はこうでした。

それっていつまで続くの?

( ゚д゚)ポカーン

ショックでした。

そんなの、わたしが一番教えてほしい。

ああ、不妊治療を上司に理解してもらおうなんて、無理だったんだ…

その瞬間、これ以上相談しても無駄だな、とすっかり心を閉ざしてしまい、話を終了させてしまいました。

ちょっとわからないので、自分で何とかコントロールしてみます…

愚痴みたいになこと言ってすみませんでした…

この日の帰り道、駅のホームで電車を待ちながら、
なんで理解してくれないんだろう…と悶々と考えました。

その時、ふと気付いたんです。

理解してもらうための努力をしたのか?と。

仕事との両立が不安なのであれば、

「だからどうしたいのか(どうしてほしいのか)」

を明確に伝えなかったわたしに非があるのでは、と。

そもそもわたしは自分自身が「どうしたいのか」という意思を明確に持っていなかったことに気付きました。

そして、その意思を持つための情報もまだ持ち合わせてない。なぜなら、そもそもの治療方針が見えていないから。何もわからず、自分でどうしたいかの意志を持ってないのに、上司に何を期待していたのか。。焦りの気持ちから先走って相談してしまったことに、激しく後悔しました。

会社・上司に「不妊治療と仕事の両立」を相談するなら、自分の意思(どうしたいのか、どうしてほしいのか)を明確にした上で相談すべし

【再チャレンジ】治療方針・スケジュールが見えてきたタイミング

初診直後に上司に相談してしまい、「自分の意思」を伝えられなかったことを反省し、
相談するなら「どうしたいのか(どうしてほしいのか)」を明確に伝えられるようにしてからにしよう!と心に決めたわたしは、
どうしたいのかを考えるために、不妊治療をはじめたら、実際にどんなスケジュールになるのか、どのくらいの時間がかかる可能性があるのか、等の情報収集をはじめました。

そして、不妊検査ドックの結果を聞いて「低AMH=治療できる期間が短い(短期決戦)」「クラミジア→卵管閉塞疑い」「体外受精一択」という現実を受け止めたタイミングで、

目の前の仕事よりも、
今しかできない(今やらなければ結果がでない)不妊治療を優先させたい

という「自分の意思」を固めたうえで、もう一度、上司に相談するための時間をもらいました。

職場に伝えるときのポイント

上司が「不妊治療・体外受精」に対する理解がないのは当然。
(当事者であるわたしだって、病院に通って、診断を受けて、調べて初めて知ったことばかりだったのだから)

・理解してもらうための努力
・だから自分はどうしたいのか、会社にどうしてもらいたいのか

この2点を意識したうえで、あらためて上司に相談しました。

体外受精にかかるパワーを「数値・背景」と共に具体的に伝える

まずは治療の内容を理解してもらうために、
事実を数値とその背景をセットで、具体的に伝えることを意識しました。

・不妊治療を始めるにあたって行った検査結果から、タイミング法・人工授精・体外受精というステップの中でも、最終ステップである体外受精しか方法論がない状態だった。

・体外受精をはじめると、通院が週に1~2回程度発生する
→(採血・内診・診察・薬処方と、待ち時間も含め2~3時間かかる)

・通院日は生理周期や、通院時の血液検査・内診の結果によって次回通院日が決まるので、急遽、翌日・翌々日に通院ということも発生する。
→事前に仕事のスケジュールを調整することが難しい

月に1回~2回程度、麻酔を使う採卵手術・移植手術で終日お休みが必要になる

・治療に当たっては、服薬や自己注射が必要となり、副作用による体調不良も考えられる。

・いつまで治療がかかるかは正直わからないが、検査結果から「治療できる期間が限られている」ことがわかったので、最低半年は治療に集中したい

希望する「働き方」を具体的に伝える

治療内容を定量的な情報とともに理解してもらった上で、治療を実行する上で必要になる働き方を「自分の希望」として伝えました。

・通院のため2~3時間かかる外出が多くなるため、午前半休を活用させてもらいたい。

・採卵や移植などの手術の日は、有給を使って1日お休みを頂きたい。

・体外受精に向け、最低限の体調を整える必要があるため、19時には退社したい。

その上で「できる仕事」「できなくなる仕事」を具体的に伝える

「自分の希望」によって、発生し得るリスクと、カバーできる事柄について、定量的に伝えました。

出来なくなる仕事

・通院のための午前休や、採卵・移植手術のための有給は直前にならないと日程が読めないため、自分しか対応できないスケジュール固定の仕事(面接やイベント司会など、代打がきかない外部との折衝業務)は難しい

・午前休や19時退社をすることで、オフィスでの業務時間がこれまでと比較して減ってしまうため、今と同等のパワーで同様のミッションを担うのは難しい。10名いるメンバー全員のマネジメントとチーム運営は難しくなる。

できる仕事

・長期納期の企画系の仕事は、治療とスケジュールを調整しながら進められるので、今までどおり可能。

・メンバー全員のマネジメントではなく、自分の後任候補のリーダー2名に対する指導・アドバイスは今までどおり可能。

・19時退社後も、リーダー2名からの相談業務はチャットを使って可能。

「できなくなる仕事」をカバーする方法論を具体的に提案する

できなくなる仕事について、「なんとかしてもらおう」ではなく、「どう実現できるか」を伝えることを意識しました。

・スケジュール固定の仕事(面接やイベントの司会)

→自分が対応しなくても捌ける人数の若手が育ってきているため、完全にメンバーに任せても、今まで通り捌ける

→若手のパフォーマンス不足は、自分が指導・アドバイスを適宜していくことで改善していく。若手教育の良い機会になる。

・若手メンバーマネジメント

→リーダー2名が育ってきているので、その他若手メンバーのマネジメントを任せられるようになっている。至らない点は自分がカバーする

「自分の意思」を明確に伝える

これらの要望は、正直、今までの働き方から考えるとあり得ない要望だし、会社内でも実例のない働き方だったため、かなりは勇気が必要でした。。。

ですが、「今しかできない不妊治療を優先させたい」という自分の意志を明確に伝えた上で、
「叶わないなら、仕事を辞めざるを得ないと考えている」前提だという意思まで伝えた上で、要望しました。

この、「自分の意志」を明確にすることが、一番重要だったと思います。

わたしの話を黙って聞いていた上司は、話を聞き終えた後すぐに、私が提案した以上の「希望を叶えるための方法論」を提案してくれました。

上司からの提案
  • 特別に、フレックスタイム制を適応したらどうか(会社としてはフレックスタイムは未導入)
  • 手術のタイミングや体調によっては、リモートワークを取り入れてみてはどうか(会社としてはリモートワークは時短勤務者等の特別な理由がない場合は認められていなかった)
  • 「マネージャーではなく”アドバイザー・顧問”として役割を担ってもらう」とメンバーに伝えることで、マネジメント負担を減らしてはどうか
  • マネジメント負担や業務時間を軽減する分、グレード(役職)は下がることになるが、治療中の期間限定であれば、その方が良いのではないか

まさか上司の方から、こんなに柔軟な働き方を提案してくれるとは思っていなかったので、びっくりしました。

こんなに配慮してもらえるとは…感謝しかありません。

と同時に、状況を変えるには、自分が意思を持って働きかけていくことが重要なんだ、とあらためて気づきました。

もちろん、私の事例のような方法を取ることが難しいケースも多いと思います。

職場の規模や業種・職種、風土、人間関係、役職や働いてきた年数、タイミングなど、様々な条件が関係してくる問題だからです。

わたしの場合は、本当に運良く条件が合致しただけで、とても恵まれた特殊ケースかもしれません。

そんな中でも「自分の意思を持つ」ことは、どんな状況であってもベースになる考え方ではないかと思います。

みなさんの職場や治療の状況に合わせて、不妊治療と仕事の両立を目指す上でベストなカミングアウトの方法を模索して、1人でも多くの方が、前向きに、少しでもストレスを減らせる状態で治療に取り組めることを願っています!

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