【自然排出or手術?】稽留流産と診断されたらどうする?選択する時のポイント3選

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不妊治療コラム

不妊治療をされている方にとって、「流産」ほど悲しく、辛い出来事はないと思います。

できれば経験してほしくないし、流産の可能性を考えることもしなくて済むなら、しない方がいい。

でも、「流産の可能性」って、意外と高いんです。

そして、いざ「流産宣告」をされた時、冷静に「流産と診断された後、何をすればいいか」を考えられる人は少ないと思います。

わたしは心拍確認後9週の稽留流産、胎嚢確認後7週の稽留流産を経験しましたが、
1回目の流産の時は、正直頭が真っ白になり、現実を受け入れるのにも時間がかかり、
流産の診断後、何をすべきなのか、全くわからず途方にくれました。

今、稽留流産の診断を受け同じように頭が真っ白な方、何をすればいいいのかわかない状態の方に向けて、「稽留流産と診断された時に知っておくべきこと・考えるべきこと」を纏めておきます。

※今回は流産により深いダメージを負ってしまうメンタルとの向き合い方ではなく、とても実務的な内容です。もしかすると実務的すぎて、「こんなこと考えられない!」と思うかもしれません。でも、次の治療に進む上では重要なことばかりです。すぐには受け入れられなかったとしても、いつか落ち着いた時に、こんな情報あったな…と立ち戻ってもらい、活用してもらえたら嬉しいです。

稽留流産とは?

流産と一言で言っても、流産の時期や症状・進行状態によって、種類があります。

<時期による区分>
妊娠5週以降12週未満の流産を早期流産、
妊娠12週以降22週未満の流産を後期流産と言います。

<症状による種類>
・進行流産
 胎児や胎盤の排出があり、流産が始まっている状態

・稽留流産
 子宮内で胎児が死亡していながら、出血や腹痛など症状がない流産

今回取り上げる稽留流産は、進行流産と違い、
「出血や腹痛などの自覚症状がなく」「子宮内に胎児が留まっている状態の為、胎児の処置が必要である」ことが特徴です。

つまり、
診察を受けるまで、
「流産している」事実が全く頭にない状態であることが多く、
心の準備ができていないにも関わらず、「次の処置に対する判断」を求められるのです。

ちなみに私が経験した最初の稽留流産は、不妊治療クリニックを卒業し、満を持して母子手帳の交付を受け、「これで私も堂々と妊婦と言えるんだ・・・!」と希望に満ち溢れた状態でワクワクと産院の初診に訪れ、最初の診察で行ったエコーの結果、先週まで元気に心拍が動いていたはずの赤ちゃんの「心拍が確認できない」と医者に告げられました。

にわかには信じられず、「この病院のエコーは不妊治療クリニックより性能が悪いのかな?」「この医者新人かな?」と疑うほど、青天の霹靂でした。

<選択ポイント①>自然排出を待つor手術を受ける

稽留流産と診断されると、「手術しますか?自然に待ちますか?」という選択肢を提案されます。
もちろん、その場で判断する必要はなく、持ち帰り家族と相談して、納得する方法を選ぶことが可能ですが、
病院によっては選択肢の提示はなく、「じゃあ手術しましょう」「自然に待ちましょう」と一方的に決定されてしまうこともあるという話を聞きます。
頭が真っ白な状態でそう言われたら、「わかりました」と言うしかないですよね。
選択肢を提案された際、どう決断すればいいのか、それぞれのメリット・デメリットを説明します。
もし片方の選択肢しか医師に提示されなくても、ご自身の意思として医師に伝えることができる方が増えるといいなと思います。

自然排出のメリット・デメリット

自然排出とは、人工的な手段ではなく胎盤の組織や附属物が自然と体外に排出されることを意味します。

<自然排出のメリット

  • 手術や麻酔に伴う、子宮穿孔、麻酔のアレルギーなどのリスクを回避できる
  • 「流産」という事実に向き合う時間が取れる

<自然排出のデメリット>

  • いつ自然排出が起こるか、予測できない。(1~2ヶ月かかるケースも)
  • 突然の大量出血や強い腹痛が起こる人もいる(特に週数が進んでいる場合)
  • 排出が不完全な場合、出血や細菌感染のため結局流産手術と同じ処置が必要になる場合もある
  • 排出された組織を絨毛染色体検査に提出できない

手術のメリット・デメリット

流産手術は、手術器具を子宮内に挿入し、子宮の中にある組織(絨毛成分や胎児成分)を摘出する方法です。

<手術のメリット>

  • 早く確実に、妊娠に伴う組織を子宮から排出させられるため、今後の予定が立てやすい
  • 病理検査で胞状奇胎などの異常妊娠を発見することができる
  • 絨毛染色体検査で流産の原因が胚の染色体異常であるかどうかを確認することができる

<手術のデメリット>

  • 手術麻酔の副作用,頸管拡張,掻爬に際しての頸管裂傷,子宮穿孔,出血,感染などの合併症のリスクがある
  • ほとんどの場合、残った子宮内容物は術後自然に排出されるが、遺残が多く再手術を必要とすることがある

わたし個人の考えとしては、自然排出と手術どちらを選ぶかは「自分が気持ち的にどうしたいと感じるか」を基準に考えて良いのでは、と思います。

流産と急に宣告されても信じられない、今日はたまたま心拍が見えなかっただけで、時間を置けば心拍が見えるのではないか…

そう思う気持ちも痛いほどわかります。そんな気持ちのまま、手術してしまうなんて耐えられない、という方も多いのではないでしょうか。そんな方は、自然排出を待ち、赤ちゃんが自分で出てきてくれることで流産という事実に向き合う・受け入れるという方法が一番自然で、気持ちの整理もつけやすいかもしれません。

一方、早く気持ちの区切りをつけ、次の妊娠に向け治療を開始したい、という方もいらっしゃるかもしれません。
また、お仕事をされている方は特に、いつ起こるかわからない自然排出を待つことに強い不安を感じるかもしれません。(外出先や職場で大量出血したら…と思うと怖いですよね)
そんな方は、自分で決めたタイミングで手術を受けることで気持ちにも体調にも区切りをつける、という方法がベストかもしれません。

ちなみにわたしは、フルタイムの仕事をしていたこと、
年齢的にも仕事との両立を考えても一刻も早く不妊治療を終えたかったことから、
次の治療に一番早く移れる方法として「手術」を選択しました。

<選択ポイント②>手術を受ける場合の術式は?

手術を受けると決めた場合、必ず確認してもらいたいのが「術式」です。
流産手術は、一般的に「掻把法」「吸引法」があります。

掻把法と吸引法

<掻把法>
子宮内の内容物を先の太いピンセットのような器具(鉗子)で取り出したり、スプーンのような器具(キュレット)で掻き出す以前から行われている手術法。日本ではいまだに圧倒的に多くの施設で行われている。

手作業で感覚的に行うため、術者の技量に負うところが多い術式。
手術時間が長くなり、出血量も多く、注意を払っても、子宮に傷をつけたり、穴を開けてしまうことが起こり、不妊症や腹膜炎の原因となることも。


<吸引法>

・手動真空吸引法(Manual Vacuum Aspiration : MVA)
子宮の中に柔らかい細いチューブを差し込んで、手動吸引器で内容物を吸い取る方法。チューブがポリプロピレン製で柔らかくしなやかなため、子宮の形に合わせて愛護的に吸引操作を行うことができ、ポンプと違い手動で吸引するため、微妙な調整が可能。子宮や身体への負担が少なく、WHO(世界保健機構)にも推奨されている。

・電動真空吸引法(Electric Vacuum Aspiration:EVA)
掻爬法よりは安全だが、金属製のチューブを使い電動ポンプで吸引するので、子宮に傷をつけてしまうことや穿孔(突き抜けてしまう)を起こすこともある。

身体への負担、安全性、次の妊娠のことを考えても、手動真空吸引法(MⅤA)での手術を強くおススメします。

が、日本で古くから行われている掻把法による手術がまだまだ一般的であり、
病院から特に何の説明もなく、掻把法による手術が実施されるケースも多いようです。
手術を選択する際は、必ず医師に「手動真空吸引法」による手術は可能ですか?と確認してみてください。

ちなみに、わたしは2つの病院で手術を経験しましたが、
1つ目の病院は「一般的には掻把法だが、希望があれば吸引法でも可能」と言われ、
2つ目の病院は「安全性を考えて、現在はすべて吸引法で実施している」とのことでした。

病院によって方針は全く異なるようなので、必ず事前に確認してみてください。
掻把法のみしか実施しないと言われた場合は、吸引法で実施可能な病院を自分で探したほうがいいくらい、重要なことだと思っています。

<選択ポイント③>流産絨毛染色体検査を受けるべき?

流産絨毛染色体検(POC)って何?

流産絨毛染色体検査(POC)とは、流産した胎児および絨毛組織(胎盤の一部)を用いて、その染色体の数と形態を詳細に調べる検査です。
この検査によって、流産の原因が胎児の染色体異常によるものか、母体側の原因によるものかを探索することができます。

受けるメリット・デメリット

<メリット>
①流産の原因がわかることで、「気持ちの整理」につながる

②今後の治療方針が明確になる

染色体が正常だった場合
今回の流産は母体側の原因である可能性が高いと考えられるので、母体側要因の検査が重要となる。

■染色体の数に異常があった場合
流産の原因は偶発的な胎児染色体異常と考えられるので、母体側の原因の検査は不要

<デメリット>

①流産の原因の半数以上は偶発的な胎児染色体異常であるため、1回目の流産では病院から検査を勧められない

②検査の限界がある

・胎盤絨毛組織や胎児組織の損傷が大きく、培養しても胎児由来の細胞が十分に増えなかった場合は、分析ができないことがある。
・胎盤絨毛組織や胎児組織に付着した母体細胞が、培養の際に残存していて増殖した場合は、母体の染色体が分析されて検査結果として報告されることがある。
・提出された検体が母体組織のみで胎盤絨毛組織や胎児組織が見出されなかった場合は、検査を実施できない場合もある。

③費用がかかる(自費)※2022年4月より保険適応されましたが、届け出のある病院以外は自費診療となります

流産を経験されると「あの時無理して働いたから、赤ちゃんに良くなかったのかも…」「もっと食べ物に気をつけて栄養を取っていれば、流産しなかったのかも…」と自分を責めてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

初期流産の半数以上は「胎児の染色体異常」が原因です。その場合、着床した瞬間から、運命が決まっていて結果は変えられません。お母さんの責任ではありません。

「胎児の染色体異常が流産の原因だった」ことが検査でハッキリすることが心の整理につながり、前に進むきっかけになるのであれば、是非検査をおススメします。

もっと実務的な観点から言うと、不妊治療をされている方は特に、「次の治療方針」を立てる上で、原因究明は重要です。

私は低AMHで採卵できる卵が少なく、貴重な凍結胚を移植する上で「もし自分に不育症要因があるのであれば、解決した上で次の移植に臨みたい」「万全な状態で移植しないと凍結胚がもったいない」と強く思っていました。
検査によって自分に流産の要因があることが判明することに怖さはありましたが、それを知らないまま移植を繰り返すことの方が恐怖だと感じたため、迷わず検査を受けることを決めました。

ただ、1回目の流産の時、病院側から絨毛染色体検査の案内はありませんでした。

病院からすると、1回目の流産で(ほとんどの場合が染色体異常なので)わざわざ検査までする必要がない、という考えだったのでしょう。自分から検査してほしい、と頼んでみてもかなり非積極的な様子でした。

自費で結構お金かかりますし、結果はたぶん胎児染色体異常ですよ。本当にやります・・・??

先生の言うこともわかりますが‥‥
こちとら、高額な金額と時間かけて体外受精してるんで…!!!1回1回が勝負なんです…!!!

デメリットもありますが、不妊治療をされている方は、わたしは1回目の流産であっても、絨毛染色体検査で原因探索することをおススメします。

(ちなみに費用は病院によって異なりますが、わたしの病院は約7万円でした…)

以上、稽留流産と診断された時に選択するポイント3選でした。

  • 自然排出 or  手術 は「自分の気持ち」で選んでいい
  • 手術をするなら絶対「手動真空吸引法(MⅤA)」で
  • 1回目の流産でも「流産絨毛染色体検査」で原因探索を

どのポイントも、「事前に知識がないと選択肢すら提示されない」可能性があります。

流産という悲しい事実の前に頭が真っ白で何も考えられない状況の中で、病院の言われた通りの処置を受け、後で後悔する人が少しでも減るように、頭の片隅にこの記事の内容をとどめておいてもらえると嬉しいです。

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